本記事では、eSOLが提供するリアルタイム3Dエンジン「eXRP」を活用し、産業向けのアプリケーションを開発した事例を紹介します。
この記事でわかること
- リアルタイム3Dエンジン「eXRP」とは
- eXRP を活用したVR×ロボット連携の開発事例
- eXRP の開発事例から想定される応用例
1. はじめに
近年、モビリティ・ロボティクス・製造業などの産業領域において、ゲームエンジンの活用が急速に広がっています。そうしたゲームエンジンの中でも、いま特に注目を集めているのがオープンソースの「Godot」です。
「eXRP」は、そのGodotをベースに、eSOLの50年以上にわたる組込み開発の知見を活かして産業用途向けに強化したリアルタイム3Dエンジンです。
eXRP の詳細は、下記より製品ページをご覧ください。
eXRP 開発事例|デジタルツインを活用したロボット操作システム
開発概要
今回ご紹介するのは、デジタルツインを活用したロボット操作システム です。
本デモでは、ユーザーはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して仮想空間内で倉庫を走る仮想ロボットの一人称視点で体験します。現実空間には倉庫の平面マップとその上を走る物理ロボットがあり、ユーザーがコントローラーを使って物理ロボットを操作すると、その位置情報をもとに仮想空間で仮想ロボットが連動して移動します。この仕組みを使って、仮想空間で発生する火事に向かって仮想ロボットを移動させて消火活動を行います。
想定ユースケース
想定されるユースケースとしては、火災が発生した倉庫内などの、人が立ち入ることが困難な危険環境において、現地の空間をリアルタイムで再現した仮想空間を作業者がHMDで確認しながら、ロボットを遠隔操作する場面が挙げられます。これにより、作業者の安全を確保しつつ作業することができます。
技術要素
全体構成図
1. 物理ロボットの操作
現実空間で倉庫の平面マップ上を走る物理ロボットは、 ROS 2(Robot Operating System 2:ロボット制御の業界標準フレームワーク) を介すことでHMDのコントローラ ーによる操作が可能になっています。
ROS 2 との連携機能は、ベースとなるオープンソースのGodotの高い拡張性を活かし てeSOLがカスタマイズしたeXRPの独自機能です。
2. デジタルツインの実現
デジタルツインとは、現実空間の情報を取得して仮想空間内に再現すること・または再現したもののことです。
本デモでは、現実空間の物理ロボットの位置を取得して仮想空間内の仮想ロボットの位置にリアルタイムに反映することで、現実空間と仮想空間のロボットの移動が連動するデジタルツインを実現しています。
物理ロボットの位置は、物理ロボットの操作と同様にeXRPに独自に組み込んだROS 2 との連携機能により取得できるようになっています。また、仮想空間内の映像はゲームエ ンジンの特性を活かした高品質な3Dグラフィックスで確認することができます。
デモの動作風景
ROS 2 との連携機能やデジタルツインの実現方法についての解説は、関連記事の「ゲームエンジン「Godot」とROS 2を活用してデジタルツインを実現した、VRゲーム開発の技術要素を解説」をご覧ください。
開発工数
- eXRP本体の機能拡張(ROS連携):約1人月
- eXRPを使用したアプリケーション開発:約1人月
開発事例から想定される応用例
本事例は、以下のような用途への応用が想定できます。
- 人が容易に立ち入れない環境におけるデジタルツインを活用したロボット操作
災害現場・工場内の事故発生個所などの危険環境
海外拠点などの物理的に距離のある環境
宇宙・深海などの極限環境 - 教育・訓練向けシミュレーション
おわりに|ゲームエンジンを産業用途へ
ゲームエンジンGodotをベースとしたeXRPは、今回ご紹介した事例以外にも以下などを実現します。
- 産業機器や車載機器のGUI開発
- 実機と仮想空間を同期させるデジタルツイン開発
- 制御・検証・教育用途のシミュレーション環境開発
このような技術活用や類似システムの実現にご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ご相談内容例:
- 組込みシステムと連携したシミュレーション環境構築
- 産業機器や車載機器のGUI改善
- eXRP を活用したPoC・デモ開発
- その他、ゲームエンジンの産業用途への導入検討
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Entertainment課 Y.A / T.O

