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「eSOL Technology Forum 2024」開催報告

2024/10/10 9:00:00

イーソルは、5年ぶりの開催となるプライベートフォーラム「eSOL Technology Forum 2024」〔開催日:2024年9月27日(金)〕を東京コンファレンスセンター・品川にて開催しました。

お忙しい中、ご来場いただきました多くのお客様に厚く御礼申し上げます。

本記事では、過去最高のお申込者数を頂いたeSOL Technology Forum 2024」の様子をレポートします。
※eSOL Technology Forum 2024の開催概要はこちら

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<講演>“ハイレベルな内容” “とても刺激的で勉強になった” “新しい視点”など大好評

今年のテーマは「SDAへの変革を支える新時代のソフトウェアファーストアプローチ」です。
弊社の講演に加えて、株式会社デンソー、オリンパス株式会社、ウーブン・バイ・トヨタ株式会社よりエンジニアリング部門の重責を担う3名の著名なゲストスピーカーをお招きし、本テーマでの各社の取り組みについてご講演いただき、来場者の皆様から大変好評を得ることができました。
誠にありがとうございました。

ご好評につき、講演資料および講演動画の配布をご希望される声を多数頂戴したため、今後公開を予定しております。是非楽しみにお待ちください。
※一部公開できない講演もございますので、あらかじめご了承ください。


開演に先立ち、イーソル代表取締役 社長 長谷川よりOpeningのご挨拶をさせて頂きました。

Opening
イーソル株式会社 代表取締役社長
長谷川 勝敏

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挨拶を読む 本日はeSOL Technology Forum2024にご来場いただきましてありがとうございます。
eSOL Technology Forumは、2019年以前は毎年開催していたのですが、19年にコロナになったために(緊急事態宣言・まん延防止等重点措置のため開催ができず)、やっと5年後の今年開催することができました。今年は国内のみならず、海外からも著名な講演者の方々にご登壇いただきます。さらに、当社の社員も皆様に向けて講演を行います。
コロナの時代、営業が対面でできないですとか、何かビジネスの新しいネタを探したいけどなかなか外出ができず、ネタすら見つけらないという時代が続いていたかと思います。ですが、本日の各皆様方の講演、ならびに外(ホール会場外のホワイエ)に展示してあるデモをご覧になりますと必ず新しいネタ、または皆様の業務を改革するツールを発見することができると思います。──ぜひ最後までこのフォーラムを楽しんでいただければと思います。本日は誠にご来場ありがとうございます。

【イーソル講演①】
SDAへの変革を支えるソフトウェアファーストアプローチ
イーソル株式会社 専務取締役CTO 兼 ソフトウェア事業部長
権藤 正樹
02_権藤さん

講演概要 近年、車産業におけるSDVを代表に、Software Defined というアプローチが注目されている。SDAはその基盤であるが、それをどの様に実現するのかは曖昧である。同様にソフトウェアファーストという言葉の意味においても、ソフトウェア「だけ」が重要であるような誤解も少なくない。
本講演では、Domain modelingをはじめとしたSDAのソフトウェアファーストの実現アプローチ、またchiplet等の最新コンピュータ技術を活かすためのOSを始めとしたソフトウェア技術について議論をした。

【招待講演①】
Software Defined Vehicle:自動車産業はどう「ソフトウエアの力」を信じれば良いか?
株式会社デンソー 経営役員CTO
加藤 良文 氏
03_デンソー加藤様

講演概要 自動車産業は、SDVにより新たな価値を生み出そうとしている。一方で、「ソフトウエアの力」をどう信じて、どう使っていくか?については、まだ検討する事が多い。自動車やモビリティでの新しい価値と、その実現にソフトウエアがどうかかわるか?についての問題提起と考察を紹介した。

【招待講演②】
メディカル領域におけるSDxへの取り組み
オリンパス株式会社 先進ソフトウェア技術開発ヘッド グローバル バイスプレジデント
児玉 達弘 氏
04_オリンパス児玉様

講演概要 ソフトウエアデファインドに対する取り組みは、近年自動車業界を筆頭に多くの先進企業で加速している。一方、医療業界においてはPatient Safetyが最優先であり、オリンパスのコアバリューの先頭にもPatient Focusが謳われている。また、当然ながら各国の厳しい医療法規制にも遵守した製品開発が求められる。
本講演では、医療業界における様々なチャレンジを踏まえた上でのオリンパスにおけるSDxへのアプローチを紹介した。

【イーソル講演②】
SDxに求められる Full Stack Engineering
イーソル株式会社 執行役員 ソフトウェア事業部 エンジニアリング本部長
佃 明彦
05_佃さん

講演概要 Software-definedなシステム(SDx)の開発に何らかのプラットフォームを導入することは必然である。ただし既存のプラットフォームを導入してアプリケーションを作るだけでは、SDxは競争力の源泉にならず、最終的にはシステムのケイパビリティまで他者に握られかねない。eSOLはこの問題を解決するためにFull stack engineeringが必須と考えている。
本講演ではFull stack engineeringとは何か、なぜそれが不可欠なのかについて、弊社の事例を交えて解説した。

 

【招待講演③】※同時通訳あり
Hardware and software: separation, or deeper integration?
(ハードウェアとソフトウェア:分離か、より深い統合か?)
ウーブン・バイ・トヨタ株式会社 Arene Distinguished Engineer
JF Bastien(ジェイエフ バスティエン) 氏
06_ウーブンJFB様

講演概要 ハードウェアとソフトウェアを分離することは、Software Defined Vehicle (SDV) を推進する上で極めて重要である。分離することで車両用ソフトウェアがハードウェアのさまざまな側面を効果的に定義できるようになる。しかしながら、真の SDV を実現するには、ハードウェア、ソフトウェア、オペレーティングシステム、ツールチェーン間をより深く統合する必要もある。深く統合することで、全体的な品質が向上すると同時に、コストと市場投入までの時間が短縮される。
この講演では、ハードウェアとソフトウェアを分離すると同時に、より深い統合を促進し、SDV の可能性を最大限に発揮するための戦略を探った。

【招待講演③】
車載ソフトの新たなる調達モデルと課題
イーソル株式会社 取締役 ソフトウェア事業部 ビジネスマネジメント副本部長
宇田 智之
07_宇田さん

講演概要 CASEというキーワードの下でクルマのエレクトロニクスの高度化が進んできたが、SDVの登場により自動車業界は更なる転換期を迎えている。特にOEMとサプライヤーの分業体制からシステムの統合に向けて開発現場では今まで以上の協力体制が求められるが、そこにはテクノロジーだけではなくビジネス面でも課題が多い。
本講演ではハードウェアとソフトウェアの分離による新しい調達モデルに着目し、ソフトウェア開発における諸課題について解説した。


また、閉会にあたりご来場のお客様およびゲストスピーカー3名に向けて、イーソル常務取締役 ソフトウェア事業部 ビジネスマネジメント本部長 上山よりご挨拶を申し上げました。

【Closing】
イーソル株式会社 常務取締役 ソフトウェア事業部 ビジネスマネジメント本部長
上山 伸幸

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挨拶を読む 本日は半日にわたり長い間お時間頂きありがとうございました。また多くの皆さまにご参集いただいたことは、イーソルとしても力強く思っておりますし、日頃からご愛顧頂いていることを非常に感じました。本当にありがとうございます。
ならびに本日は3名の皆様─加藤様、児玉様、JFBastin様、イーソルのためにお時間を割いて頂き本当にありがとうございました。お力がなければこのような素晴らしい講演にならなかったのではないかと思います。改めて御礼申し上げます。
──来年、イーソルは50周年を迎えます。こうやって50年も会社が生きていられるということは、皆様のおかげだと感謝しております。私は約25年前にイーソルに入社しまして、当時は売上が20億超だったと思いますが、現在は約5倍の100億円を超えるほどになりました。本当に社員も頑張りましたし、何よりもお客様のおかげだと思っております。
また最後のメッセージとなりますけれども……2025年6月に「eSOL Technology Forum2025」を開催いたします。
コロナを理由に残念ながらeSOL Technology Forumを中断しておりましたが、当社が技術を非常に大事にしていく会社であることは、この50年間変わっておりません。ですから、この場で次回開催のメッセージをお伝えすることは重要であると考えておりました。ぜひまた来年も皆様にお会いできればと思っております。
本日は皆様、誠にありがとうございました。

 

<12種類のデモ展示>多くのご来場者様にご覧いただき大盛況

会場ホワイエでは12種類のデモを展示いたしました。各講演の休憩時間やネットワーキングでは多くのお客様で賑わい、活発な情報交換が行われました。

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 <デモ展示一覧>

#1 自動車用AI eBRAD demo1-1
ドライビングシュミレータ上での高速道路シナリオにおいて、eBRADによって開発されたドライバモデルによる自動運転デモを展示しました。


#2 SDV Platform - DVE+Uモデル demo2-1
SDVを実現するための車両ソフトウェアプラットフォームをデモ展示しました。SDVを構成するDriver(人間)・Vehicle(車両)・Enviroment(環境)という主要な3つのドメインに、Utility(ユーティリティ)ドメインを加えたモデルをROS2ベースシステム上に実装した車両ソフトウェアプラットフォームをデモしました。


#3 車載診断 Dr.CAN/Dr.Repro blog_demo3
評価ボード上で動作するソフトウェアのリプログラミングのデモを展示しました。リプロミングは、UDSの診断サービスを使い、外部ツールからソフトウェアをダウンロードし、ソフトウェアを書き換えます。


#4 AUTOSAR準拠BSW AUBIST CP/AP IMG_0538
dSPACE社の仮想シミュレーション環境(SILS)とAUBIST CPを連携させることにより、ソフトウェアのテストを「実機なし」「前倒し」で実現するデモを展示しました。


#5 Ansys SCADE×AUBIST demo5-1
Ansys SCADEを使って開発したデモモデルが実装しているのは自動車用インテリジェントヘッドライトのコントロールソフトウェアです。会議中のプロジェクターでも使用される光学デバイスなどを使って、照射可能な範囲の中で点灯すべき領域、消灯すべき領域を判断して適切な場所だけに光源からの光が届くようにします。これによって常時ハイビームでの夜間走行が可能になり、より安全が確保できるようになります。このデモモデルをAnsys AVxcelerateを使ってシミュレーションしました。AUBIST Platform&Serviceを利用することで、このモデルを量産開発へとスムースに移行させることができます。


#6 R-CAR S4 WHITEBOX SDK x AUBIST, eMCOS blog_demo6
即時利用が可能で早期にSoCの評価を開始することができるルネサス社製R-Car S4 Whitebox SDKから、量産品質を担保したイーソルプラットフォームへのシムレスな移行を支援するソリューションをデモ展示しました。


#7 スケーラブルRTOS eMCOS SDK demo7 demo7-2
ヘテロジニアスマルチコアSoC上に安全特性の異なるSoftware compnentsを同時並行で動作させ、これらの動作がDecouplingされていること(Freedom From Interferenceが実現され、クリティカルな周期制御がジッタレスに動作している等)をグラフィカルなログで示すデモを展示しました。


#8 ROS x XR demo8-1
研究開発中の産業用XRプラットフォームを使用して開発された、Meta Quest3からRTOS2/DDS通信を介して小型ロボット(toio)を制御するデモを展示しました。


#9 Industrial Network blog_demo9
CC-Link IE TSNシステム環境において、RX72Nボード上で動作するSafety SDKが安全状態を診断するデモを展示しました。モータ回転およびLED Lightで状態をモニタで確認でき、ユーザによるスイッチ操作で状態変化が確認できます。


#10 MIRABILIS Visual Sim blog_demo10
性能/消費電力を見積もるためにはアーキテクチャ探索が必須です。グラフィカルなエディタでのシステムモデル設計及びシミュレーションを実現可能とするVisual Simのデモを展示しました。


#11 Ansys medini analyze demo11
機能安全の要求となるFMEA/FMEDA/FTA。CS要求でもあるTARAの成果物をシステムモデルより自動導出し成果物管理の効率化を実現するデモを展示しました。


#12 Trnity Services demo12
イーソルトリニティで提供している機能安全(ISO 26262,IEC 61508他)やサイバーセキュリティ(ISO/SAE 21434,IEC 62443)のプロセス構築支援やプロジェクト対応支援コンサルティングを紹介しました。
また、イーソルにて持っているA-SPICE Lv2対応などを実現できるプロジェクト管理や、構築管理環境の構築のノウハウを利用した生産性向上や効率化を実現できる構築サービスを紹介しました。

 

2025年6月に「eSOL Technology Forumu2025」開催決定!

この度はご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。
また、ご都合により今回ご来場いただけなかった方もいらっしゃるかと思いますが、次回開催ができることは、ひとえにご愛顧くださるお客様およびパートナーの皆様のおかげです。

来年の開催に向けて、より多くのお客様にとって有意義な時間となるように準備をしてまいります。
今後ともイーソルを何卒よろしくお願いいたします。



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